プライムブローカーその2
昨日の続きになります。
なぜ、彼らは信用力に劣る中小業者にそこまで便宜を図ってくれるのか?という問いかけに対する答えです。
それは「データがとれるから!」に尽きます。
IF-DONE注文とかいろいろなタイプのオーダーを発注できてFXはリスク管理がしやすいなんてもっていないでしょうね???
この複雑な注文というのは、出すほうにとっては便利、受けるほうにとってもマスデータとして集計すれば、相場のモメンタム=勢いが解析できるのですから、濡れ手に粟の取引となるのです。
例を使って説明しましょう。
話を分かりやすくするために非現実的な例ですが、
たとえば1ドル100円のときに円売りのポジションを組み、ストップロスが95円に設定します。この段階で10億円のポジションが組まれたとします。
翌日、相場が動き、99円の円高になりました。そこで難平をします。ストップロスが94円になります。この段階で多くの投資家が参入して、150億円のポジションが組まれたとします。
その翌日、さらに相場が動き、97円の円高になりました。難平をする投資は減り、多くは様子見となり、20億円のポジションがくまれました。ストップロスは92円です。
そこから数日、海外で大きなイベントが発生し、円高にふれ、95円をつけました。さあ、一斉にストップロスオーダーが出ます。
さて、ここで問題です。反対売買をしたい投資家の注文を受けるのはだれでしょう?
他の投資家でしょうか?
いえ、プライムブローカーです。自分たちでポジションを持ちます。売りたい人からまずは買取り、買いたい人に自社に有利な条件で売ります。差額がトレーディング収益となる仕組みです。
が、
95円のストップロスオーダー、あなたなら受けますか?一円下には膨大な額のストップロスオーダーがまっています。その下のストップロスオーダーもしかりです。
なだれのように勢いがつくことでしょう!!!
だったら一緒にいま、ドルを売って円を買おう!って思いますよね。
だって、一円下にタッチすれば、自動的に発動することがわかているんですよ!
どうやって?
それが提供したトレードツールから流れてくる情報を付き合わせることによって、どこまで相場が動けば、どういう影響がでるか、予想がしやすくなるのです。
一度でも94円をつければ一斉に150億円分の売り注文がでるのです。一斉に!
日本のFX業者相手に提供されるプライムブローカーのサービスがいかに危険なものか、おわかりいただけたと思います。
このサービスがわずか数社によって提供されるのです。
実際にかならず、そうだ、というお話ではありません。
こういうことが可能だ、というお話です。
そして、このビジネスが成立する土壌としてFX会社の企業倫理自体が異常に低いから成立しえるのだということを決して忘れないでくださいね。
つまり、FX専業証券は信用に値せず、ということです。